• どこであいますか 2

    2016.11.15~22 A&BHouse 6号室

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    絵のある部屋

     

    彼女は一枚の大きな油絵を描いた。

    共用キッチンにあるテーブルの絵だ。

    鈍いピンク色の空間に黒いテーブルが浮遊しているように置かれ、

    テーブルの上には私たちが使ったベッドのシーツと、

    私たちが出会う場所へ行く為のモノが置かれている。

    この部屋の空間を埋めるほど大きな絵で、良い絵だった。

     

    今日の朝、その絵を部屋から出すことにした。

    彼女はこれほどまでに残虐なことをしたことは無いと言っていた。

    そして、絵はいいものだよね、特別なものだよね、どう思う、と問いかけて来た。

     

    絵を部屋から運び出し、ガランとした部屋をみた。

     

     

    本当に絵があるべき場所はどこなのか、そしてそこは何時なのか。

    今いるここは一体どこで、自分はなにを観ているんだろう。

     

    24時間ドアを開けて、私たちは生活している。

     

     

     


     

  •  「どこであいますか」第二期に発表した作品。絵は何であるのか・絵はどこにあるべきなのか・何時に観るべきなのかという絵に対する問いから制作を始めた。

    自分たちが生活している6号室と同じサイズの絵画を制作し、その空間に展示をすることを試みた。その為にも部屋の歪みに合わせた微妙なシェイプド・キャンバスを作り、ドミトリーで起こっていた人間関係を絵に描いた。

    しかし、その過程で絵があるべき場所はここではないと気がついた。そこで制作した絵と体験した事をモチーフに、新たに文と絵を制作した。オープニングでは、2つのベッドの上に絵を2枚飾るパフォーマンスを行い、空間を完成させた。